南青山で結婚相談所まりなびをやっている、竹内亮仁です。
つらい話を打ち明けられて、頼りにされている。
結婚は難しいと感じているのに、突き放せない。かわいそうで、断れない。
そういうご相談を、ときどきいただきます。
この記事では、そういうときに、何を材料にして決めるかをお話しします。
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まず、なぜここで止まるのかを書きます。
情がわいて離れられないとき、たいていは相手の事情のほうを見て考えています。
あの人には、こういう事情がある。ここで自分まで離れたら、あの人はひとりになる。
ここが、答えの出ない場所です。
相手の事情に、良いも悪いもつけられません。つけられないものを材料にしている限り、いくら考えても結論は出ません。出てくるのは「かわいそう」だけです。
だから何ヶ月も、ときには何年も、同じところで止まります。
やさしすぎるからでも、冷たくなれないからでもありません。見ている場所が、答えの出ない場所だというだけです。
材料は、相手の事情ではなく
いまの自分の状態
決めるときに見るのは、相手がどういう人かではありません。
その人といるときの、自分がどうなっているかです。
相手の事情を並べても、こちらの人生は決まりません。事情はその人のもので、こちらが引き受けて変えるものでもない。
かわりに、こちらにしか分からないことがあります。会っているあいだ、自分がどうだったか。帰ってきてから、どう過ごしたか。
これは、相手を採点する話ではありません。いい人か悪い人かを決める話でもない。
自分が、その人のそばでどういう状態でいたかを見るだけです。
そして、そこはもう、答えが出ています。見るかどうかだけです。
▷ プレ交際の間に、何を見ておけばいい?
体は、もう
答えを出している
僕が見ていただくのは、三つです。
- 一緒にいるあいだ、ざわつくかどうか。
楽しい時間もあるのに、どこかで落ち着かない感じが残るか。 - 自然体でいられるかどうか。
話す前に、これを言ったらどうなるかを考えていないか。 - 会った後、生活が乱れるかどうか。
眠りが浅くなる、翌日の予定が崩れる、食事が雑になる。
三つとも、気持ちではなく体のほうに出るものです。
気持ちは、情や同情で上書きできます。体は上書きできません。だから、材料として正確です。
比べる相手は、いま会っている方ではありません。以前の自分です。
そういうことが全然なかった時期があったなら、それが比較になります。「あのときは、こんなふうにならなかったな」と思い出せるなら、それはもう答えのほうです。
支えることと、
一緒に生きることは別
もうひとつ、よく出てくるのが「私が支えなければ」という気持ちです。
支えたいと思うのは、本当のことだと思います。実際に、支えになってこられたのだとも思います。
ただ、支えることと、一緒に生きることは、別のことです。
支える気持ちで一緒になると、そのあと長く続くのは、支えるほうです。
相手が抱えているものは、こちらが埋めるものではありません。相手が悪いという話ではなく、埋める場所が違うというだけです。埋めようとするほど、お互いに苦しくなります。
こういうときに効くのは、相手のために何ができるかを増やすことではありません。
自分の機嫌を、自分でとれる状態に戻しておくことです。そこが戻ると、見えるものが変わります。
▷ 自分の機嫌を、自分でとれるようになりたい
先に、しんどいところも
書いておきます
正直なところを書きます。
一つめ。決めたあとも、しばらく気持ちは残ります。
すっきり終わることは、あまりありません。情は、決めた日には消えません。しばらく残るものだと思っておくほうが、楽です。
二つめ。ほかの方に会っても、しばらくは引っ張られます。
とくに比較として会うと、引っ張られます。「あの人よりいいかどうか」で見ていると、軸が向こうに残ったままになる。その見方は、お相手にも伝わります。まったく関係のない方たちなので、一人ずつ、そのまま見るほうがいい。
三つめ。決まるまでに、時間がかかります。
会えば会ったで、楽しく過ごせたりもします。そして帰ってきて、また同じところで悩む。この往復は、しばらく続きます。今日明日で決めなくて構いません。ただ、「落ち着いたら」で先に延ばすと、落ち着く月はなかなか来ません。
それから、よくいただく質問にも先に答えておきます。
「私が離れたら、あの人はどうなるんでしょうか」
それは、こちらが引き受ける範囲の外にあることです。
人が支えを受け取る場所は、ここだけではありません。ご友人、ご家族、専門の方。自分が唯一の受け皿ではないというのは、冷たい話ではありません。
実際に、
どう変わっていったか
以前、事情を聞いてから離れられなくなった、というご相談が続いた時期がありました。
面談でやったのは、その方をどう思うかを整理することではありません。
会った日の夜に、三つだけ書き留めていただいただけです。ざわついたか。自然体でいたか。翌日の生活がどうだったか。
三回ぶんも並ぶと、たいていご自身で結論を出されます。こちらから「やめたほうがいい」と申し上げることは、ほとんどありません。
成婚された方の言葉も、ご紹介します。
彼には本音が言えて、飾らない素の私で居られると思うようになった頃です。ネガティブな話も受け止め、逃げずにしっかり話し合える人だと思った時は、結婚してからも一緒に相談・協力しながら乗り越えることができるだろうと思いました。(A.Kさん・40代後半)
A.Kさんが挙げているのは、相手の事情でも条件でもありません。その人のそばにいるときの、自分の状態です。八ヶ月で結婚が決まりました。
話しているときに、自然体でいられる心地よさを感じたり、「この人は自分と似た感覚を持っているな」と思う瞬間がありました。……そのような瞬間を積み重ねていくうちに、「もしかしたら、この人と結婚するかもしれない」と思うようになりました。(R.Nさん・40代前半)
こちらの方も同じです。「自然体でいられる」が先にあって、結婚の話は、そのあとから来ています。
ざわつくほうを我慢しながら続けた先に、この感じは出てきません。
※ ご本人の快諾をいただき、個人が特定されない形で掲載しています。
数字で言えること、
言えないこと
「情で迷った方が、そのあとどうなったか」——そういう数字は、うちにはありません。
会員の方の気持ちを分類して集計する、ということもしていないので、作りません。
かわりに、手元にある数字を出します。
まりなびを卒業された方の71%が成婚されています。
定義は「創業以来の累計。成婚者数 ÷ 会員数」です。
プロポーズまでは平均11ヶ月でした。
なぜこの数字になるのか、サポートの中身も書いておきます。
まりなびでは、続けるかどうかで迷っている時に、相手の事情ではなく、その方の状態のほうを一緒に見ます。決めるのはご本人です。
決まったあと、お相手へお伝えするところは、相談所が間に入ります。直接のやりとりをせずに済むので、決めることだけに時間を使っていただけます。
▷ お断りするのが、申し訳なくてつらいとき
迷いが長引いている日の、
小さな手順
- 会った日の夜に、三つだけ書く。
ざわついたか。自然体でいたか。翌日の生活はどうだったか。それだけで十分です。 - 三回ぶん、並べて見る。
一日だけでは分かりません。並ぶと、同じことが書いてあるのが見えてきます。 - 「支える」と「一緒に暮らす」を、別々に書いてみる。
同じ言葉が並ぶのか、違う言葉が並ぶのか。そこに出ていることがあります。 - ほかの方に会うときは、比較として会わない。
「あの人よりいいかどうか」で見ないと決めておくだけで、その日の見え方が変わります。 - いつごろまでに決めるかを、自分で置いておく。
今日でなくて構いません。「落ち着いたら」にしないことのほうが効きます。
一度、
考えてみてほしいこと
最後に、ひとつだけ持ち帰っていただきたい問いがあります。
「これから先、どんな暮らしをしていたいですか」
相手をどうするかの問いではありません。まず、自分の側だけを描いてみる問いです。
朝がどんなふうに始まって、休みの日に何をしていて、どんな話をして眠るのか。
描けたら、そこにイエスと言ってくれる方がいるかどうかで見ていく。そのほうが、いま抱えていることを解こうとするより、ずっと早く進みます。
*
2005年から20年、これまで2,000人ほどの方の婚活を、そばで見てきました。
抜けていった方に共通しているのは、相手の事情に結論を出したことではありません。
自分の状態のほうを見たことです。見れば、たいてい、もう分かっています。
まずは、今夜の三行から始めましょう。
まず自分で確かめたい方は、小冊子から
決める前に、一度整理したい方へ