会って、お話しして、悪い人ではなかった。
でも、「この人とは違うな」と感じた。
だから、お断りしようと思う。
なのに、その一通が、どうしても送れない。
スマホを手に取っては、置く。
「申し訳ない」「傷つけてしまうかも」。
そうやって、何日も返事を抱えたまま、苦しくなっていく。
*
その「申し訳なさ」は、あなたが相手のことを、
ちゃんと一人の人として見ている証拠です。
どうでもいい相手なら、こんなに迷いません。
胸が痛むのは、やさしさが働いているからです。
だから今日は、その「断るのがつらい」を、
少しだけ軽くする見方を、お話しさせてください。
断ることは、相手を
否定することじゃない
お断りするとき、心のどこかでこう思っていませんか。
「この人を、ダメな人だと判定してしまう」
「断る=相手を傷つけること」。
でも、それは少しだけ、つながりすぎています。
あなたが感じたのは、「合わなかった」というだけのこと。
相手が悪いわけでも、あなたが冷たいわけでもありません。
人と人には、相性があります。
おいしいお店でも、自分の好みに合うとはかぎらない。
それと同じで、いい人かどうかと、合うかどうかは、別の話なんです。
いただいた好意は、喜んでいい
いただいた好意のほうは、そのまま喜んでいいんです。
混んでいるラウンジで、早めに行って席を取っておいてくれた。
ごちそうしてくれた。「次はあそこに行きたいですね」と言ってくれた。
会うこと自体を、楽しみにしてくれていた。
それだけの好意を、向けてもらえたということですよね。
無下にされるより、無視されるより、
「お会いできてうれしいです」と言ってもらえるほうが、本当はうれしいはずです。
だから、そこは喜んでいい。
そのうえで、お返事は、お返事として、別にある。それだけのことです。
「お断りして、申し訳ございません」ではなく、
「ご好意をいただいて、ありがとうございました」。
そのほうが、自然だと思うんです。
「断る私が悪い」に、
なっていないか
つらさが大きくなると、いつの間にか、
「断る私が、悪いことをしている」に変わっていきます。
ここに、ひとつの心の癖があります。
わたしたちは、子どものころから、
「正しい・正しくない」で物事を見るのに慣れています。
だから、断ることまで、つい○か×かで採点してしまう。
「受ける=正解、断る=不正解」みたいに。
でも、お見合いに、○も×もありません。
合う人を見つけていく途中で、合わない人がいるのは、当たり前のこと。
断ることは、間違いじゃなくて、
「自分の心に正直でいる」というだけのことなんです。
その申し訳なさの、下にあるもの
少しだけ、踏み込んだ話をします。
「申し訳ない」が消えない時、その下にもうひとつ、
言葉にしていない理由が隠れていることがあります。
たとえば——ほんとうは、タイプではなかった。
それをそのまま思うのは、なんだか気が引ける。
だから「いい人なんだけど」「申し訳なくて」という言い方になる。
でも、タイプではなかった、というのは、
誰かを傷つける考えではありません。ただの、自分の好みです。
一度、胸に手を当てて、
自分がほんとうは何を思っているのかを、確かめてみてください。
そこがはっきりすると、お返事は、ずいぶん軽くなります。
早く伝えるのは、
相手のためでもある
お見合いのあとは、交際を希望するか、お断りするか。
原則として、翌日の13時までにお返事をすることになっています。
アプリのように、そのまま連絡を取らずに終わる、ということができません。
だから、余計に重く感じるんですよね。
「申し訳ないから」と返事を先延ばしにする。
その気持ちは、とてもよく分かります。
でも、ひとつだけ。
待たされている間、相手も宙ぶらりんのままです。
期待しながら待つ時間は、相手にとっても、つらいもの。
だから、誠実に、早めに伝える。
それは冷たさではなくて、いちばんのやさしさです。
「ごめんなさい」ではなく、
「お時間をいただき、ありがとうございました」。
そう伝えられたら、それで十分です。
以前、こういうご相談がありました。
申し込んだ相手がとても喜んでくれて、
会う前から、進む前提で話が動いていく。
断りにくくなってしまった、と。
熱意を見せて「断ったら悪い」という空気をつくる方は、たしかにいます。
でも、それは幸せになっていくプロセスとは別のものです。
試食してみて口に合わなければ、買わなくていい。
申し訳なさより、自分の「いいな」のほうが、ずっと大事です。
別の方は、三回目に交際を申し込まれて、断りました。
そのあと「せっかく言ってくれる人と出会えたのに」と落ち込んでしまった。
でも、十のうち九つが不安でも、一つ「いいな」があったなら、
その出会いで、ちゃんと一つ前に進んでいます。
丸かバツかで見るから、一からやり直しに感じるだけなんですね。
「お互い様」だと、
知っておく
もうひとつ、心が軽くなる見方があります。
それは、断るのも、断られるのも、お互い様だということ。
あなたが「違うな」と感じるように、
相手もまた、別の場面で、誰かに同じことを感じています。
誰もが、合う人を探している途中にいる。
だから、断ることに、過剰な罪悪感を持たなくて大丈夫です。
そして、これは結婚相談所の中では、
みんなが分かっている、ふつうの作法でもあります。
だからこそ——
あなたが一人で、メッセージの文面に何時間も悩む必要はありません。
そこは、間に立つ人がいる場所の、よさのひとつです。
断れる人ほど、
ちゃんと選べる
ここまで読んで、少し肩の力が抜けていたら、うれしいです。
断ることに慣れていない人は、
つい「断らずに済む相手」を、無意識に選ぼうとしてしまいます。
でも、それだと、自分の心地よさが後回しになる。
「合わないときは、ちゃんとお断りしていい」。
そう思えると、出会いの一つひとつを、自分の心で見られるようになります。
条件で値踏みするより先に、まず心で感じる。
そのうえで、合う人を選んでいく。
断れることは、その「選ぶ力」の、土台になるものなんです。
そして、もうひとつだけ。
「どう断ろう」に力を使うより、
自分が「いいな」と思う男性は、どんな女性を「いいな」と思うんだろう——
そちらを考えてみるほうが、実は近道だったりします。
見た目のこと、話し方や仕草のこと、雰囲気や性格のこと。
今の自分を否定して作り変える、という話ではありません。
「こんなふうになれたらいいな」を、思い描いてみるだけです。
そちらに寄っていくと、いいなと思える人と出会える機会が、増えていきます。
すると、「タイプではないけれど、断るのが申し訳ない」という場面自体が、減っていく。
そういう時、ご縁のなかった相手には、たぶん、こう伝えているはずです。
「この度は、ありがとうございました」。
好意はありがたく受け取って、でも、自分には先がある。
そのくらいの気持ちで、大丈夫です。
罪悪感が、少し軽くなる小さなステップ
とはいえ、「明日から平気で断れる」なんて、無理な話です。
申し訳なさは、すぐには消えてくれません。
なので、また返事を抱えて止まってしまった時の小さなステップだけ、ここに置いておきます。
- 「合わなかっただけ」と、言葉にする。
相手を否定したわけでも、自分が悪いわけでもありません。 - ○か×かで、自分を採点しない。
断ることは、間違いではなく、正直でいるということ。 - 早めに、短く、丁寧に伝える。
待たせないことが、相手へのやさしさになります。 - 「お互い様」と思い出す。
断るのも断られるのも、誰もが通る道です。 - 一人で抱え込まず、間に立つ人を頼る。
文面に悩んだら、相談していいんです。
*
東京・南青山で結婚相談所まりなびをやっている、竹内亮仁です。
20年、男女のパートナーシップを研究してきて、
これまで2,000人ほどの方の婚活に、関わらせてもらいました。
その中で、ずっと大事にしてきたことが、ひとつあります。
それは、「都合の悪いことも、正直に話す」こと。
断ることへの罪悪感も、本当はそんなに抱えなくていい。
そういう「言いにくいけど大事なこと」を、ちゃんとお伝えしたいと思っています。
もし、「断り方も含めて、一度ちゃんと相談してみたい」と思えたら、
まりなびには、無料相談 という入口があります。
今あなたがどこで止まりやすいか、
婚活の進め方そのものを、一緒に確かめる60分の時間です。
今の状況から近道を一緒に考える