服も、メイクも、見直した。
習いごとを始めて、話題も増やした。
笑顔も、聞き方も、気をつけている。
それなのに、相手の反応は、思ったほど変わらない。
「これだけやったのに、まだ足りないのかな」と思ってしまう。
*
最初に、ひとつだけ言わせてください。
あなたの努力が、足りなかったわけじゃありません。
むしろ、ここまでていねいに自分と向き合ってきたこと自体が、
ほんとうは、すごいことです。
反応が変わらないのは、磨き方が下手だからでも、
あなたに何かが欠けているからでもなくて、
ほんの少し、力の入れどころがちがっていただけ、かもしれません。
「磨いても変わらない」がいちばんしんどい理由
うまくいかない、よりも、
「これだけやったのに、変わらない」のほうが、ずっとこたえます。
なにもしていないなら、「これからやればいい」と思える。
でも、やったのに動かないと、行き場のない気持ちになる。
「じゃあ、私のどこがいけないの」と、自分に矢印が向いてしまう。
がんばり屋の人ほど、ここでつまずきます。
まじめだから、努力でなんとかしようとする。
変わらないと、もっと努力で埋めようとする。
でも、ここで一度だけ、立ち止まってほしいんです。
しんどさの本当の出どころは、努力の量じゃないかもしれません。
しんどさの正体は、「直さなきゃ」という前提
自分磨き、という言葉には、
そっと、ひとつの前提がまぎれこんでいます。
「今のままの私では、足りない」
「だから、直さなきゃ」。
この前提が、いちばんの重しなんです。
足りないところを直そう、直そうとするほど、
心は「私は、ダメなんだ」のほうへ、静かに傾いていきます。
そして、自分を「ダメだ」と思っている人からは、
どうしても、その不安がにじみ出てしまう。
磨けば磨くほど苦しくなるのは、
磨くたびに「足りない私」を確認してしまうから。
これは、努力の方向が、自分を責めるほうを向いているサインです。
変えるのは、自分そのものじゃなくて「自分の見方」
ここが、いちばんお伝えしたいところです。
反応を変えたくて、わたしたちはつい、
自分そのものを変えよう、足そう、直そう、とします。
でも、変えるといいのは、自分そのものじゃなくて、
自分を見る「目線」のほうなんです。
「足りないところを、どう埋めよう」から、
「今の私を、どう大切にあつかおう」へ。
同じ一日でも、見方が変わるだけで、空気が変わります。
前者は、自分にダメ出しをしながら走る一日。
後者は、自分をいたわりながら過ごす一日。
どちらの人のそばにいたいかは、
たぶん、相手も、無意識に感じ取っています。
「○か×か」の採点を、そっとやめる
どうして、わたしたちはこんなにも、
自分に点数をつけてしまうんでしょう。
小さい頃から、たくさんの「○と×」の中で育ってきたからです。
テストにも、通知表にも、いつも線が引かれていた。
その癖は、大人になっても残ります。
だから、自分磨きも、つい採点になる。
「これができてないから、×」
「あの人より劣っているから、減点」。
でも、あなたは、テストの答案用紙じゃありません。
人としての値打ちに、満点も赤ペンも、ないんです。
反応が変わらないのは、あなたの点数が低いからじゃなくて、
心が勝手に×をつけて、その×に向かって落ち込んでいるだけ。
その採点を、いったん手放してみるところからです。
満たされた人のところに、人は近づく
じゃあ、見方を変えるって、具体的にどういうことか。
むずかしいことではありません。
だれかに満たしてもらうのを待つ前に、
自分で自分を、ていねいにあつかう。それだけです。
ごはんを、ちゃんと味わって食べる。
よく眠る。気になっていた場所へ、ひとりで出かけてみる。
新しい何かを足すより、今の自分を、やさしく扱ってあげる。
不思議なもので、
自分で自分を満たせている人は、それだけで、ふっと魅力的に映ります。
余裕や、あたたかさが、にじみ出るからです。
そして——
自分を大切にできている人のところには、
同じように、その人を大切にあつかう人が、近づいてきます。
経験やスペックを足して追いかけるより、
自分を大切に扱うほうが、ずっと近道なんです。
見方を変える、小さなステップ
とはいえ、「明日から自分が大好き」なんて、無理な話です。
心は、すぐには切り替わってくれません。
なので、見方を変えるための、
小さなステップだけ、持って帰ってください。
- 「足りないリスト」を、いったん床におろす。 直す前提を、そっと手放してみる。
- ○か×かで、自分を採点しない。 あなたは、答案用紙ではありません。
- 自分を大切に扱うことを、ひとつだけ始める。 だれかを待つ前に、自分から。
- 「どう大切にあつかわれたら、うれしいかな」と思い浮かべる。 遠くから眺めるより、その中にいる自分として味わってみる。
- そのために、今できる小さなことを、ひとつだけ。
このステップの中に、「もっと磨く」「もっと足す」は、一度も出てきません。
*
申し遅れました。
東京・南青山で結婚相談所まりなびをやっている、竹内亮仁です。
20年、男女のパートナーシップを研究してきて、
たくさんの女性の「うまくいった瞬間」を見てきました。
あとから振り返って、みなさんが口をそろえて言うのは、
意外なほど、同じことでした。
「自分や条件を変えようとするのをやめて、
自分を大切に扱うようにしたら、いつのまにか進んでいた」。
磨くのをがんばっていた頃より、
力を抜いて、自分をいたわりはじめてからのほうが、
ふしぎと、よい出会いに近づいていったんです。
7つの質問に答えて近道を知る