プロフィールを開いて、条件を確認する。
年収、年齢、身長、休日、住んでいる場所。
ひとつ、またひとつと照らし合わせていくうちに、
「ここがちょっと」「これもちがう」と、印がついていく。
そうして気づくと、会ってみたい人が、ほとんど残っていない。
*
あなたは、わがままなわけでも、高望みしているわけでもありません。
大事なことだから、ちゃんと考える。
妥協したくないから、しっかり見る。
それは、自分の人生をいいかげんにしたくない、まじめな人の証拠です。
ただ——その「ちゃんと見る」が、
いつのまにか、自分をしんどくさせていることがある。
今日はその話を、ちょっとしてみます。
条件で絞るほど、
いい人がいなくなる
条件をはっきりさせるのは、悪いことじゃありません。
時間がないならむしろ、何も決めずに出会いを求めるより、ずっと現実的です。
でも、条件のリストが長くなるほど、
ひとつのこんなことが起こります。
会う前から、相手の「足りないところ」ばかりが、先に目に入る。
年収はいいけれど、休みが合わない。
やさしそうだけど、身長がもう少し。
——こうして、会ってもいないうちから、心の中で印をつけていく。
リストが長いほど、引っかかる項目も増えます。
だから、絞れば絞るほど、「いいな」と思える人が減っていく。
これ、あなたの目が厳しすぎるからじゃありません。
そういう仕組みに、なっているだけなんです。
チェックリストは、
「減点ゲーム」になりやすい
どうして、足りないところばかりが目に入るのか。
人の心は、うれしいことより、
「困ったこと・足りないこと」のほうに、ずっと敏感にできています。
これは性格の問題じゃなくて、もっと根っこの話。
危ないこと・足りないことにすぐ気づけるからこそ、
人はここまで生きのびてきた。だれの中にもある、自然な心のしくみです。
ところが、このリストを上から照らし合わせていく作業は、
言ってみれば、満点から「足りない分」を引いていく減点ゲーム。
満点の人なんてどこにもいないのは、誰でも知っています。
どんな人と向き合っても、必ずどこかに印がつく。
そして、印がついたところばかりが、印象に残ってしまう。
会うほどに「ピンとこない」のは、
あなたが冷たいからではなく、人には減点で見てしまう心のクセがあるから。
これでは、ちょっと疲れてしまいますよね。
「条件」の奥には、
本当はべつの願いがある
ここで、ひとつ思い出してほしいことがあります。
そもそも、どうしてその条件が欲しかったんだろう、って。
たとえば「年収」。
お金そのものが欲しいというより、
ほんとうは「お金のことで、いつもピリピリしたくない」
「いい暮らしがしたい」
「安心して暮らしたい」——そんな気持ちが、奥にあるはずです。
「休みが合う人」も、
休日の曜日がそろっていてほしいというより、
「一緒に過ごす時間を、ちゃんと持ちたい」という願いの、言いかえ。
条件というのは、たいてい、
「こんなふうに暮らせたら、うれしい」という気持ちを、
数字や項目に置きかえたものなんです。
つまり、条件はゴールじゃなくて、手がかり。
本当に欲しいのは、条件そのものじゃなく、
その先にある「安心して、心地よくいられる毎日」のほうです。
頭で選ぶと、
心が置いてけぼりになる
条件のリストは、頭で考えるものです。
スペックを並べて、足したり引いたりする作業。
でも、いざ一緒に暮らしていく相手を選ぶとき、
最後にものを言うのは、じつは頭じゃありません。
「この人といると、なんだかほっとする」
「理由はうまく言えないけど、一緒にいて疲れない」
——そういう、心の感じ方のほうです。
女性は本来、この「感じ方」のセンサーが、とても優れています。
一緒にいて安心できるか、大切に扱ってもらえそうか。
会った時に、ちゃんと感じ取っている。
なのに、条件のリストが分厚いと、
心のセンサーが働かなくなり、頭が「減点」を始めてしまう。
「いい人だな」と心が感じても、
「でも、条件がひとつ足りない」と頭が打ち消す。
これをくり返していると、だんだん、自分の感覚が分からなくなってきます。
頭が忙しすぎると、心の声は、小さくなってしまうんです。
条件を捨てなくていい。
見る順番を変えるだけ
ここまで読んで、
「じゃあ、条件を全部捨てろってこと?」と思ったかもしれません。
いいえ、捨てなくて大丈夫です。
条件は、あなたの願いの手がかりなんですから、大切なものです。
変えるのは、条件そのものじゃなくて、見る順番のほう。
これまでは、
「条件に合っているか」を先に確かめて、
そのあとで、会うかどうかを決めていた。
それを、ちょっとだけ逆にしてみる。
まず、会ってみる。
そして、「この人といると、自分はどんな気持ちになるかな」を、先に感じてみる。
条件の照らし合わせは、そのあとで、ゆっくりやればいい。
順番を変えるだけで、
減点から始まっていた婚活が、「いいな」を見つける婚活に、少しずつ変わっていきます。
会うのが少しラクになる、
小さな手順
とはいえ、「明日から条件を気にしない」なんて、無理な話です。
長く付き合ってきた癖は、すぐには切り替わってくれません。
なので、また条件で疲れてしまった時の、
小さな手順だけ、ここに置いておきます。
- 絞れなくて当然、と知っておく。
満点の人はいません。減点で見れば、だれにでも印はつきます。 - ○か×かで、人を採点しない。
チェックリストを、いったん閉じてみる。 - 条件の奥の「気持ち」を、確認してみる。
「年収」の奥にある「安心して暮らしたい」——それが結婚の目的。 - 会った時、「自分はどう感じたか」を先に思い出す。
条件の確認は、そのあとで。 - そのために、今できる小さなことを、ひとつだけ進めてみる。
この手順で進めていれば、条件はあとからついてきます。
*
それでも、
「自分の感じ方が、もうよく分からない」という人も、いると思います。
経験が少なければ、それも自然なことです。
長いあいだ頭で頑張ってきた人ほど、
心の声は、いったん聞こえにくくなっているものです。
ヒントは、過去の中にあります。
だれかと一緒にいて、ふっと肩の力が抜けた瞬間。
「あ、この感じ、いいな」と思えた、小さな「うれしい」。
それを思い出して、集めていく。
あなたの感じ方は、なくなったわけじゃなく、ちょっと休んでいるだけです。
*
申し遅れました。
東京・南青山で結婚相談所まりなびをやっている、竹内亮仁です。
20年、男女のパートナーシップを研究してきて、
たどり着いたのは、とてもシンプルなことでした。
幸せな結婚をしていく人は、
条件で完璧な相手を見つけたわけじゃない。
ただ、「足りないところを数える」のをやめて、
「一緒にいて心地よい人と、暮らしていこう」と進んでいた。
それだけだったんです。
この続き——
「条件ではなく、何を手がかりに選べばいいのか」を、
LINEのほうで、もう少しゆっくりお話ししています。
7つの質問に答えると、
今のあなたに必要な、ひとつの気づきが受け取れる診断もあります。
受け取るだけでも、もちろん大丈夫。
(もし、誰かと一度ゆっくり話してみたくなったら、
まりなびの無料相談という入口もあります。無理な勧誘はしません。)
条件のリストを前に、ひとりでため息をつかなくていいように。
のぞきに来てください。