何回か会って、お付き合いが始まった。
うれしい反面、こんな声もよく聞きます。
「この期間に、何を見ておけばいいんだろう」
「進めていいのか、見送るべきなのか、判断がつかない」。
時間は限られているし、ずるずるはしたくない。
でも、焦って決めたくもない。
そのあいだで、迷ってしまう。
*
まず、その迷いは、まじめな証拠です。
きちんと見極めたいと思うのは、
この先を大事にしたいから。いいかげんにしたくないから。
ただ——「見極める」を「粗を探す」と取りちがえると、
かえって、いちばん大事なものが見えなくなることがあります。
今日は、限られたこの期間に、
ほんとうは何を見ておけばいいのか、という話をしてみます。
プレ交際・仮交際とは、どんな期間か
「プレ交際」「仮交際」は、結婚相談所の業界用語です。
交際と付いていますが、実は、まだ交際の前の状態を指します。
お見合いをして、その次からがプレ交際ですから。
人間関係の距離感でいうと、
知り合ってから、仲のいい友だちになるまでのあいだ。
その期間のことだと思ってもらうと、少し肩の力が抜けると思います。
ちなみに、その先の「結婚を前提に」が真剣交際で、
距離感でいえば、恋人から婚約するまでのあいだ。
仮とか真剣とか、そんな線があるものかとも思うのですが、業界の言葉なので。
もちろん、時間もお金もかけていることですから、
距離が近くないうちは適当でいい、という意味ではありません。
「見極め」は、
粗探しではない
見極めなきゃ、と思うと、つい身がまえます。
「変なところはないか」
「あとで後悔しないか」。
そうやって、相手の足りないところを探しはじめる。
これは性格の問題じゃなくて、もっと根っこの話。
危ないこと・足りないことにすぐ気づけるからこそ、
人はここまで生きのびてきた。だれの中にもある、自然な心のしくみです。
でも、足りないところを数える目で見ていると、
どんな人と向き合っても、必ずどこかに印がついてしまう。
満点の人は、どこにもいません。
粗を探す目のままだと、見極めのつもりが、
ただ減点を重ねるだけになってしまうんです。
自然な出会いなら、していないこと
こう考えてみてください。
自然な出会いで知り合ったばかりの男性が、
あなたを「結婚相手としてふさわしいかどうか」という目で見ていたら。
ちょっと距離感がおかしいな、と感じませんか。
そこは、結婚相談所を使っていても、いなくても、同じなんです。
なのに婚活になると、初対面からその目で見てしまうことが起こる。
だから、距離が縮まりにくくなります。
はじめまして、の次は、まず仲良くなれそうかどうか。そこからで大丈夫です。
条件のチェックは、
あとからでいい
条件を持っていること自体は、まったく問題ありません。
年収、年齢、暮らし方。
大事にしたいことがあるのは、自然なことです。捨てなくて大丈夫。
ただ、プレ交際の間にそれを上から照らし合わせる作業を先にすると、
頭ばかりが忙しくなって、いちばん肝心なものが後回しになります。
条件の確認は、あとからでも、ゆっくりできます。
むしろ、この期間にしか確かめられないことが、別にあるんです。
それは、紙の上のスペックではなくて、
「この人と一緒にいる時間が、自分にとってどんな感じか」のほう。
条件が第一になると、見落とすもの
順番を逆にしたくなる理由も、実ははっきりしています。
安心できる感じ、大切にされている感じ、尊敬できるところ——
そのあたりが感じ取れないと、
年収がいくら、身長が何センチ、というところでしか判断できなくなるんです。
条件が第一のものさしになると、大事なところを見落としやすい。
そういうことが、けっこう起きています。
いちばんのものさしは、
「一緒にいて、自分を好きでいられるか」
プレ交際で、ぜひ感じてみてほしいことがあります。
結婚していった女性たちが、よく口にすることが3つあります。
一緒にいて、安心できるか。
女性として、大切に接してもらえている感じがするか。
男の人として、人として、尊敬できるところがあるか。
「楽しいか、面白いか、が一番じゃないの?」とよく言われます。
それも一番だったら、なお良いです。
そしてもうひとつ——
この人といる時の自分が、好きかどうか。
会ったあと、心が軽くなっているか。
それとも、なんだか自分を小さく感じて帰ってくるか。
相手がどれだけいい条件でも、
一緒にいると自分を責めたくなる、無理をしてしまう、
そういう相手だと、暮らしは少しずつしんどくなっていきます。
逆に、特別なことは何もないのに、
一緒にいると、自分のことがちょっと好きになれる。
そういう人とは、長く穏やかにやっていけることが多い。
大切なのは、相手の点数ではなく、
その人といる時の、自分の心地のほうなんです。
以前、こんなご相談がありました。
再会した相手は、人当たりがよくて、周りからの人気もある。
でも、本心を出してくれないので、人となりが見えてこない。
安心していいのか分からない、と。
お伝えしたのは、見えるところから確かめること。
仕事のこと、お金の使い方、ご家族のこと。
そして、距離が縮まってくると、素のほうが出てきます。
そこで極端な偏りや、態度の急な変わり方が見えたら、早めに離れていい。
別の方は、相手が相談所のスタッフに見せた態度が引っかかりました。
挨拶も、ありがとうも、出てこない。
会っていて楽しい部分もあったのに、その一点のほうが大きかった。
行動の良し悪しで考えると、いつまでも決められません。
引っかかったということは、その方の中で
そこが大事だという答えが、もう出ているんですね。
「素のままで、呼吸できるか」を、
そっと観てみる
もうひとつ。
その人の前で、息がしやすいかどうか。
よく見せようと、ずっと気を張っていないか。
言いたいことを、飲み込んでばかりいないか。
帰り道に、どっと疲れていないか。
最初は、だれでも少し緊張します。それは自然なこと。
でも、回を重ねても肩の力が抜けないなら、
そこには、何か無理がかかっているのかもしれません。
ここで大事なのは、相手を試したり、わざと困らせて反応を見たりすることではありません。
そういう探り方をすると、相手も身がまえて、ほんとうの姿は見えなくなります。
ただ、静かに観るだけでいい。
一緒にいる時、自分の呼吸がどうなっているか。
誠実さは、態度を試さなくても、ふだんのやりとりの中に、ちゃんとにじみ出ています。
見ておくことを、ひとつだけ挙げるなら、
言っていることと、していることが、そろっているか。それくらいで十分です。
そして、そろわなかった時。
人には、できないことも、忘れることも、間違えることもあります。
その時に、ちゃんと謝れる人かどうか。そこだけ見ておけば大丈夫です。
もうひとつ、気をつけたいのが、
「自分が気になるかどうか」を、ものさしにしてしまうこと。
向こうはそれほどでもないのに、こちらだけが気になって、
切ない気持ちのまま、追いかけてしまう。
切ない、というのは、悲しいとか、不安ということですよね。
それを解消するために付き合おうとすると、相手には重くなりますし、
何より、自分が楽しくありません。
条件は、心地よさのあとに置く
ここまで読んで、
「じゃあ、条件は気にしなくていいの?」と思ったかもしれません。
いいえ、気にして大丈夫です。
条件は、あなたが大事にしたいことの手がかりなんですから。
変えるのは、条件そのものじゃなくて、見る順番のほう。
まず、一緒にいる時の心地よさと、誠実さを観る。
そのうえで、条件を、ゆっくり照らし合わせる。
この順番で進むと、不思議なことが起きます。
心地よくいられる相手は、たいてい、あなたを大切に扱ってくれる人で、
気づけば、条件のほうも、ちゃんと納得のいくところに収まっていく。
心を先に、条件はあとに。
それだけで、見極めは、ずっと静かなものになります。
そもそも結婚相談所は、プロフィールを公開したうえで出会う場所です。
条件を含めて「いいな」と思えた人でなければ、
結婚を前提としたお付き合いには進みませんよね。
だから、出会った中から一番の人を選んでいれば、
条件のほうも、ちゃんと納得のいくところに収まっています。
迷った時に立ち戻る、小さなステップ
とはいえ、「明日から心で見る」なんて、すぐにはできません。
頭で見極めようとする癖は、長く付き合ってきたものですから。
なので、また判断に迷ってしまった時の、
小さなステップだけ、ここに置いておきます。
- 粗探しの目を、いったん閉じる。
満点の人はいません。減点で見れば、だれにでも印はつきます。 - 会ったあとの「自分」を、思い出す。
心が軽くなっていたか、小さく感じて帰ったか。 - その人の前で、息がしやすいかを観る。
試すのではなく、ただ静かに、自分の呼吸を感じる。 - 条件の確認は、そのあとで。
心地よさと誠実さを先に、条件はゆっくりあとから。 - それでも迷うなら、ひとりで抱えず、だれかに話してみる。
この順番で進めていれば、見極めは、ずいぶん軽くなります。
*
東京・南青山で結婚相談所まりなびをやっている、竹内亮仁です。
20年、男女のパートナーシップを研究して、2,000人ほどの方とお会いしてきて、
ずっと大事にしてきたことが、ひとつあります。
それは、「都合の悪いことも、正直に話す」こと。
うまくいくことばかり並べてお伝えしても、
あとでがっかりさせてしまったら、意味がありませんから。
幸せな結婚をしていった方は、
プレ交際の間に、相手を完璧に見極めたわけではありませんでした。
ただ、「一緒にいて、自分を好きでいられるか」を先に観て、
それから、条件を確かめていた。それだけだったんです。
もし、「この見極め方で、合っているのかな」と迷ったら、
まりなびには、無料相談 という入口があります。
今あなたがどこで迷いやすいか、
その人とどう進めばいいかを、一緒に確かめる時間です。
今の状況から近道を一緒に考える