連絡が来るのを待つ。
次に会う約束も、相手が切り出してくれるのを待つ。
「私から誘って、迷惑がられたらどうしよう」と思うと、
結局、何も切り出せないまま。
そうやって、いつも相手の出方を待っているうちに、
気づけば、また自然消滅していた。
本当は、もっと話したかった。
もう一度、会いたかった。
それなのに、自分からは何も言えないまま、
「縁がなかったんだ」と、自分を納得させてきた。
こういうことが、一度や二度じゃない。
そのたびに、「私って、いつも受け身だな」と、
自分のことが、少し嫌になってしまう。
*
最初に、ひとつだけ言わせてください。
その「待ってしまう自分」を、責めなくて大丈夫です。
誘われるのを待つのは、引っ込み思案だからでも、
あなたに勇気が足りないからでもありません。
相手の気持ちを大事にしたいから、踏み込みすぎないように待つ。
それは、慎重さや、やさしさの裏返しでもあるんです。
なので今日は、「もっと積極的になりましょう」という話はしません。
無理に押す前に、ほどいておきたいことが、いくつかあるからです。
「受け身=ダメ」だと、思い込んでいませんか
婚活の話になると、よく聞きますよね。
「待っているだけじゃ、結婚できない」
「女性も、もっと積極的にいかないと」。
そう言われるたびに、
「やっぱり、受け身な私がいけないんだ」と、肩を落としてしまう。
でも、ちょっとだけ立ち止まってみてほしいんです。
受け身でいられるというのは、
相手のペースを尊重できる、ということでもあります。
ぐいぐい行きすぎて、相手を疲れさせてしまう人もいる中で、
あなたは、ちゃんと相手の温度を見ようとしている。
「受け身」は、欠点じゃありません。
ただ、それが「何も伝えない」にまで振り切れてしまうと、
あなたの気持ちが、相手にまったく届かなくなる。
そこだけが、もったいないんです。
以前、こんな声をいただいたことがあります。
「いいなと思う人ができても、結局いつも、
誘われるのを待つしかないんでしょうか」。
待つしかない、と思い込んでいると、本当に苦しい。
相手の機嫌や、連絡の有無に、自分の気持ちが振り回されて、
いつも受け取る側で、ずっとそわそわしていなければならない。
でも、ほんの少しだけ自分から出せるようになると、
この「待つしかない」の苦しさから、ふっと解放されます。
押す側になるわけじゃありません。
ただ、受け取るだけの立場から、半歩だけ動けるようになる。
それだけで、ずいぶん呼吸が楽になるんです。
「自分から動く=押す」では、ありません
ここが、いちばん誤解されやすいところです。
「自分から動く」と聞くと、
グイグイ誘う、押す、駆け引きする——
そんな、自分らしくない姿を思い浮かべて、ますます動けなくなる。
でも、自分から動くというのは、
無理にテンションを上げて、押すことではありません。
むしろ逆で、自然体のまま、
あなたの中にある気持ちを、ほんの少しだけ表に出す。
それだけのことなんです。
「今日、会えて楽しかったです」
「この前話してたお店、行ってみたいな」。
無理して大胆になる必要は、まったくありません。
あなたらしいトーンのまま、ひとことぶん、外に出してみる。
それが、ここでいう「自分から動く」です。
コツは、ひとつだけ。
気のきいたことを言おうとしないこと。
相手をその場で見ていて、ふと心が動いたこと。
「その時計、すてきですね」
「さっきの話、もっと聞きたいです」。
あなたは、ふだんから人をよく見ています。
だからこそ、気づいたことを、そのまま小さく口に出すだけでいい。
作る必要も、ひねる必要もありません。
気づいて、感じたことを、ぽろっと渡す。それで十分なんです。
なぜ、男性は「待たれている」と気づきにくいのか
これは、男女の感じ方の違いの話です。
あなたは、相手のことをよく見ています。
表情の変化も、声のトーンも、ちゃんと拾っている。
だから、「ここまで関心を向けているんだから、伝わっているはず」
と感じてしまう。
ところが、男性の多くは、そこがとても鈍いんです。
あなたがどれだけ心の中で関心を寄せていても、
言葉や態度で外に出してもらえないと、
「嫌われているのかな」「脈がないのかも」と、
あっさり引き下がってしまうことが、よくあります。
つまり、あなたが待っている間、
相手もまた、「自信が持てなくて」動けずにいることが、けっこうある。
おたがいに様子をうかがったまま、すれ違っていく。
あなたが少しだけ気持ちを表に出すことは、
押すことじゃなくて、相手に「だいじょうぶだよ」と伝えること。
それで、止まっていた歯車が、そっと回り出すこともあるんです。
「自分から動いたら、軽い女だと思われそう」。
そう心配する方も、多いかもしれません。
でも、安心してください。
軽く見えるのは、相手に取り入ろうと媚びたときや、
無理に大胆なふりをして、空回りしたときです。
自然体のまま、感じたことを正直にひとこと渡すのは、
媚びでも、駆け引きでもありません。
むしろ、自分の気持ちにまっすぐな人ほど、
相手の目には、誠実で、感じのいい人として映ります。
「動けない」のは、○×で採点しているから
そもそも、どうして自分から動くのが、
こんなにもこわいんでしょう。
たぶん、心のどこかで、こう採点しているからです。
「自分から誘って、うまくいったら○」
「断られたり、引かれたりしたら×」。
×をつけられるのがこわいから、
最初から動かずに、相手に委ねてしまう。
わたしたちは小さい頃から、
たくさんの「○と×」の中で育ってきました。
だから恋愛でも、つい、点数で考えてしまうんですね。
でも、気持ちを伝えることに、○も×もありません。
相手がどう受け取るかは、相手の問題。
あなたが自然体で気持ちを出せたなら、その時点で、もう十分なんです。
受け止めてくれる人なら、ちゃんと受け止めてくれる。
そうでないなら、それは「合わなかった」というだけで、
あなたが×だったわけでは、けっしてありません。
むしろ、自然体で出した気持ちに、
ちゃんと応えてくれるかどうかは、いい目印になります。
あなたが半歩ふみ出したとき、
うれしそうに受け取って、ちゃんと返してくれる人なのか。
それとも、はぐらかしたり、こちらの気持ちを軽く扱う人なのか。
待っているだけでは、それが見えません。
小さく出してみてはじめて、相手の人となりが、見えてくる。
だから自分から動くことは、攻めることじゃなくて、
「この人は、私を大切にしてくれそうか」を確かめる手がかりにもなるんです。
我慢して待つほど、苦しくなる理由
「迷惑かもしれないから」と、ぐっと我慢して待つ。
これを続けていると、だんだん苦しくなってきます。
言いたいことを言えずにのみ込んでいると、
心の中に、小さなモヤモヤが、少しずつ積もっていくからです。
「どうして連絡くれないの」
「私のこと、どう思ってるの」。
本当はただ、自分から一歩ぶん表に出せば済んだことを、
我慢で抱え込んでしまうと、それが不満や不安に変わっていく。
そして、その重さは、表情や態度から、相手にも伝わってしまう。
無理な積極性も、無理な我慢も、どちらも自然体じゃない。
だから、どちらも、いい結果にはつながりにくいんです。
力を入れる方向じゃなくて、
力を抜いて、ありのままの気持ちを、ちいさく外に出す。
そのほうが、ずっと軽く、ずっと届きます。
それに、我慢して合わせ続けて手に入れた関係は、
その先も、我慢で支え続けないと、もたなくなります。
無理をしていない自分のまま、自然に近づけた相手。
そういう人とのほうが、長く、楽に、一緒にいられるんです。
待つ自分のまま、一歩ふみ出すための小さなステップ
とはいえ、「明日からは自分から!」なんて、無理な話です。
長く続けてきた癖は、すぐには変わってくれません。
なので、待つ自分を責めずに、ほんの少しだけ動きはじめるための、
小さなステップだけ、持って帰ってください。
- 「待ってしまう自分」を、責めない。 それは慎重さや、やさしさの裏返しです。
- ○か×かで、自分の一歩を採点しない。 「断られたら×」——その物差しを、そっと外す。
- 無理に押すのではなく、自然体で、気づいたことをひとことだけ。 「楽しかった」「また話したいな」で十分です。
- 「どんなふうに気持ちが届いたら、うれしいかな」と思い浮かべる。 遠くから眺めるより、その中にいる自分として味わってみる。
- 受け止めてくれた人を、味方だと思う。 自然体のあなたを受け取れる人が、合う人です。
このステップの中に、「グイグイ押す」は、一度も出てきません。
*
申し遅れました。
東京・南青山で結婚相談所まりなびをやっている、竹内亮仁です。
20年、男女のパートナーシップを研究してきて、
ずっと感じてきたことが、ひとつあります。
幸せな結婚をしていく人は、
急に社交的になったわけでも、駆け引きが上手になったわけでもない。
ただ、「待ってしまう自分」を責めるのをやめて、
自然体のまま、気持ちをちいさく外に出せるようになっていた。
それだけだったんです。
そして、もうひとつ。
あなたの自然体を、ちゃんと受け止めてくれる人と出会えるかどうか。
じつは、そこがとても大きい。
受け止め下手な相手の前では、だれだって動けなくなりますから。
まりなびでは、いきなり「自分から動いて」とは言いません。
まずは、あなたが安心して、半歩ぶん気持ちを出せる相手かどうか。
そこを大切に、お相手を見ていきます。
受け止めてくれる人の前では、
受け身だったはずの人が、自然と動けるようになっていく。
そういう場面を、これまで何度も見てきました。
7つの質問に答えて近道を知る