自分の心は、もう決まっている。
一緒にいて、いちばん心地よい人。この人だ、と思える。
なのに、親の顔が浮かぶと、止まってしまう。
「その年収で、大丈夫なの」「もう一度、年齢のこと考えたら」
言われそうな言葉が、先回りして聞こえてくる。
実際に、渋い顔をされたかもしれない。
心では決めているのに、親の不安の前で、自分の気持ちまで揺れてしまう。
*
その揺れは、あなたが親を大事にしているからこそ、起きるものです。
どうでもよければ、揺れません。
親の不安も受けとめたいし、自分の心も大事にしたい。
その両方を抱えているから、苦しいんだと思います。
南青山で結婚相談所まりなびをやっている、竹内亮仁です。
2005年から20年、たくさんのご家族の「条件をめぐるすれ違い」を、そばで見てきました。
そのうえで、今日お伝えしたいのは、ひとつだけです。
親にも、あなたの心にも、どちらにも×をつけなくて大丈夫、ということです。
親の「その条件では」は、
反対ではなく、心配のことが多い
条件のことで渋い顔をされると、
「反対された」「分かってもらえない」と感じてしまいます。
でも、よく聞いてみると、親が言っているのは、
たいてい「条件そのもの」ではありません。
「この子は、ちゃんと幸せになれるんだろうか」——
その心配が、年収や職業や年齢という、目に見える言葉になって出てきている。
それだけのことが、ほとんどなんです。
親は、相手のことをまだよく知りません。
知っているのは、あなたが伝えた「条件」だけ。
だから、条件で心配する。これは、ある意味あたりまえです。
つまり、親はあなたの敵ではありません。
同じ「あなたの幸せ」を願っている人が、別の入口から心配しているだけなんです。
条件を下げる、でも、
親に従う、でもない
こういうとき、出口は二つしかないように見えます。
ひとつは、親を安心させるために、条件で相手を選び直すこと。
もうひとつは、親の不安を押し切って、自分の気持ちを通すこと。
でも、どちらもおすすめしません。
条件で選び直せば、自分の心に×をつけることになる。
親を押し切れば、いちばん祝ってほしい人と、わだかまりが残る。
どちらも、後で苦しくなりやすい道です。
第三の道があります。
それは、「自分が、なぜこの人を選んだのか」を、自分の言葉で持つことです。
条件で説得するのでも、感情でぶつかるのでもなく、
あなた自身が、心で選んだ理由を、ちゃんと分かっている。
そこから始めれば、出口は変わってきます。
あなたの「心で選んだ理由」を、
言葉にしてみる
たとえば、こういうことです。
「年収は、親が気にするほど高くはない。
でも、私が話していて、いちばん安心できる人なの。
意見が違っても、ちゃんと聞いてくれる。
何かあったときに、一緒に考えていける人だと思った。」
条件の話を、いったん横に置いて、
あなたが、その人といて何を感じたかを話す。
これは、親を言い負かすためではありません。
あなた自身が、揺れたときに立ち返る場所を持つためです。
ひとつ、考えてみてください。
あなたがその人を選んだのは、条件が良かったからですか。
それとも、一緒にいて心地よかったから、その先に条件も見えてきたからですか。
順番が、後者だったなら——大丈夫です。
あなたは、ちゃんと心から選んでいます。
心が伝わると、
親の不安もほどけていく
不思議なもので、条件で説得しようとすると、親の不安はかえって強くなります。
「年収は将来上がるはずだから」と数字で返すと、
親は「本当に?」と、また数字で心配する。条件の応酬になってしまう。
でも、あなたが「一緒にいて、こんなに安心できる人なの」と、
自分の心を、落ち着いて話せたとき。
親が見ているのは、相手の条件ではなく、あなたの表情に変わります。
「ああ、この子は、ちゃんと選んだんだな」。
そう伝わったとき、親の不安は、すこしずつほどけていきます。
条件は、捨てなくていいんです。下げる必要もありません。
ただ、心が先。条件は、あと。
その順番で進んだ人が、結局、条件にも納得できる相手に、ちゃんと大切にされていきます。
そして、心から選んだ人を、親にも心で伝えられたとき。
条件のことも、いつのまにか、落ち着いた話になっていることが多いんです。
親の渋い顔の前で、
揺れたときの小さな手順
- 親の「その条件では」を、反対ではなく心配と受けとる。
敵ではなく、同じ「あなたの幸せ」を別の入口から願っている人。 - 条件を下げる・親に従う、の二択で考えない。
第三の道は「自分が選んだ理由を、自分の言葉で持つ」こと。 - 条件の話より先に、その人といて何を感じたかを言葉にする。
安心できる、一緒に考えていける——自分が立ち返れる言葉を。 - 数字で説得しない。落ち着いて、自分の心を話す。
親が見るのは、相手の条件より、あなたの表情。 - 順番を確かめる。心が先、条件はあと。
心から選べていれば、条件もあとから納得に変わっていく。
*
僕は、東京・南青山で結婚相談所まりなびをやっている、竹内亮仁です。
2005年から20年、男女のパートナーシップを研究してきて、
これまで2,000人ほどの方の婚活を、そばで見てきました。
条件のことで親に揺れる方を、たくさん見てきました。
そして、自分の心で選んだ理由を持てた方が、
親の不安もやわらげて、ちゃんと幸せに進んでいかれるのも、何度も見ています。
まりなびでは、平均すると11ヶ月でプロポーズまで進み、
卒業された方の71%が成婚されています。
その多くが、条件から入ったのではなく、心地よさから入って、
条件にも自分で納得していった方たちです。
今の状況から近道を一緒に考える