南青山で結婚相談所まりなびをやっている、竹内亮仁です。
「主人が」「子どもが」。身近な人の何気ない一言が耳に入るたびに、胸のあたりがざらつく。
そんなご相談を、よくいただきます。
この記事では、その一言を気にしない方法を探すのをいったんやめて、
気にならないほうへ移っていく道すじをお話しします。
*
先に、正直なところを書いておきます。
気にしない方法は、ありません。
耳に入ってきたことを気にしないでいる、というのは、こちらで決められることではないからです。
かといって、耳に入れないようにするのも無理があります。職場にも、親戚の集まりにも、スマホの画面にも、その言葉はふつうに流れてきます。
だから「気にしないようにしよう」と決めるほど、うまく運びません。運ばないたびに、今度は気にしてしまう自分のほうへ矛先が向いてしまう。
ただ、道がないわけではありません。
「気にしない」と「気にならない」は、別のものです。
「気にならない」ときが、
あなたにもあるはずです
思い出してみてください。同じ言葉を聞いても、まったく引っかからない日があります。
自分の心が落ち着いているとき。そして、何かに夢中になっているときです。
夢中になっているあいだ、人は周りのことを拾いません。我慢しているのではなく、注意の向き先が変わっているだけです。
だから、打ち手は「言葉のほうを消す」ではありません。
夢中になれるものを、ひとつ持つ。それが一番早い道です。
婚活と関係のないことで構いません。むしろ関係のないもののほうが向いています。
夢中になっている時間が長いほど、同じ一言が届く面積は小さくなっていきます。
引っかかるのは、
弱いからではありません
もう少し奥の話をします。
その一言が刺さるのは、「自分は持っていない」という思いが心のどこかにあるからです。
そしてもう一段、持っていないことを、よくないことだと結びつけてしまう瞬間がある。
ここで起きているのは、もともと点数のついていないものに、自分で点をつけている状態です。
僕にも子どもはいません。だからといって、そこに上下はないですよね。そこには、いいも悪いもありません。
これは「そう思うのをやめましょう」という話ではありません。やめようとすると、また同じことになります。
点をつけている瞬間があるんだな、と気づくだけでいい。気づけたところから、刺さり方は変わっていきます。
▷ 友だちの結婚報告がしんどい、を責めなくていい
距離は、
取ってしまっていい
そのうえで、現実的な話をします。
言葉の出どころが決まっている場合——たとえば特定の集まりや、特定の相手——なら、答えはずいぶんシンプルです。
会う回数を減らす。
これは冷たいことではありません。親しい相手であっても同じです。
連絡手段は残しておきたい、という場合は、通知だけ切っておく。自分のタイミングで見る。
言われたその瞬間に受け取るのと、落ち着いているときにまとめて見るのとでは、同じ文面でも刺さり方が違います。
それから、これは活動を見てきてはっきり言えることですが、
外に出ると、そういう言い方をしない人のほうが、ずっと多いです。
「いいわね」「紹介してね」と言ってくれる人のほうが、実際には多い。職場ならなおさらです。
狭いところにいると、そこの声が世の中の全部に聞こえてしまうだけなんです。
戻る先は、
「私はどうしたいか」
距離を取ったあと、空いたところに何を置くか。ここが本題です。
置くのは、対抗する言葉ではありません。自分がどうなっていたいかのほうです。
たとえば「気の合う人ができて、一緒にごはんを食べていて、帰り道に、楽しかったな、と思っている」。
このくらいの大きさで十分です。
これを頭で確認するのではなく、そうなったらどんな感じかな、と思い浮かべてみる。
思い浮かべてにやにやできたら、いったんそれで十分です。
にやにやできているということは、気持ちのほうはもうその場所に行けている、ということです。
そうすると現実のほうを追いつかせたくなります。「じゃあ、どこへ行ってみようか」が、あとから出てきます。
順番として、やり方を考えるところからではありません。思い浮かべるところからです。
▷ 自分の機嫌を、自分でとれるようになりたい
先に、しんどいところも
書いておきます
この道すじには、しんどいところが三つあります。
一つめ。距離を取っても、ゼロにはなりません。
仕事の場や親族の集まりで、まったく会わずに済むことは多くありません。減らせるのは回数と、受け取るタイミングまでです。
二つめ。夢中になれるものは、すぐには見つかりません。
「これに夢中になろう」と決めて夢中になれた人を、僕は見たことがありません。行ってみて、あとから残ったものが、そうなります。最初は空振りが続きます。
三つめ。思い浮かべても、最初はにやにやできないことがあります。
そういうときは、まだ場面が大きすぎます。結婚式や新生活まで飛ばさずに、今週末の夕食くらいまで小さくしてみてください。
それから、よくいただく質問にも先に答えておきます。
「気持ちが落ちているあいだは、婚活を休んだほうがいいですか」
休むかどうかを、そのときの気分で決めないほうがいいです。
やりたいかやりたくないか、で考えているあいだは、たいてい動けません。
見るのはやったあとの「楽しかった」のほうです。そこが見えていれば、気が乗らない日でも足は動きます。
▷ 「もう婚活、やめようかな」と思った夜に
実際に、
どう変わっていったか
以前、身近な人の言葉が耳に入るたびに苦しくなる、というご相談が続いた時期がありました。
そのとき話したのは、言い返す方法ではありません。会う回数と、通知の設定と、空いた時間に何をするか。それだけです。
ひと月ほどで「そういえば、あまり思い出さなくなりました」とおっしゃる方が、何人もいらっしゃいました。
成婚された方の言葉も、ご紹介します。
一緒に頑張っている方達が結婚していったり、お付き合いを始めたりして行く中で、なかなか自分は次に繋がる出会いがなく、落ち込んだりしました。人と比べるのではなく自分のペースで頑張ろうと思えたことと、気分転換に趣味の神社仏閣巡りをしたことで、自然と乗り越えていました。(H.Sさん・40代前半)
H.Sさんは、比べるのをやめようと言い聞かせたのではなく、婚活と関係のない時間を持った方です。そのあと一年ほどで結婚されました。決め手は、長時間一緒にいても楽しかったことと、暮らしのイメージができたことだったそうです。
いいなぁ、と思える人に出会えないのが続いた時。婚活以外で楽しいことを見つけたり、婚活以外で男性と接したりしました。(RKさん・40代前半)
RKさんも、外を広げています。結婚の決め手にあがったのは、地元の町中華を一緒に食べたとき、回転寿司に一緒に行ったとき。特別な場所ではありません。
比べていた時期があっても、そこで終わりにはなりません。
※ ご本人の快諾をいただき、個人が特定されない形で掲載しています。
数字で言えること、
言えないこと
「周りの言葉が気にならなくなった方の成婚率」——そういう数字は、うちにはありません。
気になっている・いないを、こちらで線引きするものでもないので、作りません。
かわりに、手元にある数字を出します。
まりなびを卒業された方の71%が成婚されています。
定義は「創業以来の累計。成婚者数 ÷ 会員数」です。
プロポーズまでは平均11ヶ月でした。
なぜこの数字になるのか、サポートの中身も書いておきます。
まりなびでは、気持ちが落ちた月も、そこで止めない形をとっています。面談の回数をプランの軸にしているのは、そのためです。
入会から卒業まで同じ担当が伴走するので、落ちた月に何があったかを、次の月の話の続きとして扱えます。
耳に入ってしんどい日の、
小さな手順
- 夢中になれそうなものを、一つだけ書き出す。
婚活と関係のないもののほうが向いています。決めるのではなく、試す候補として。 - 通知を切る。
連絡手段は残したまま、見るタイミングだけこちらに戻します。 - 会う回数を、ひとつ減らしてみる。
全部やめる必要はありません。減らせるところから。 - 来週の予定を、ひとつ入れる。
空いた時間に何を置くかまで決めておくと、戻りにくくなります。 - 点をつけている自分に気づいたら、そこで止める。
やめようとしなくて大丈夫です。気づくところまでで十分です。
一度、
考えてみてほしいこと
最後に、ひとつだけ持ち帰っていただきたい問いがあります。
「この一週間で、周りが気にならなかった時間はどこですか」
誰かを責める問いではありません。自分が何をしていた時間だったか、それだけです。
思い当たったら、その時間を来週すこし長くしてみてください。
*
2005年から20年、これまで2,000人ほどの方の婚活を、そばで見てきました。
言葉が刺さらなくなった方に共通しているのは、強くなったことではありません。自分の時間が戻ってきたことです。
戻ってくると、同じ言葉が、同じ大きさでは届かなくなります。
まずは、来週の予定をひとつ入れるところから始めましょう。
まず自分で確かめたい方は、小冊子から
今の状況から近道を一緒に考える