南青山で結婚相談所まりなびをやっている、竹内亮仁です。
交際は続いているのに、結婚の話だけが進まない。
「重いと思われるかな」「本当は気が進まないのかな」と、頭の中で考え続けてしまう。
そんなご相談を、よくいただきます。
この記事では、相手の気持ちを想像で埋めるのをやめて、本人に聞くときの、
順番と、重くならない聞き方をお話しします。
*
まず、いちばん困るのはどこかという話をします。
進まないこと自体は、それほど困りません。困るのは、推測したまま時間が過ぎることです。
「聞いたら重いと思われる」と考えて聞かずにいると、こちらは自分の想像を相手の気持ちとして扱いはじめます。
そこから先は、実際の相手ではなく、自分の中で組み立てた相手に向かって悩むことになる。
そして想像は、たいてい実際より重い側に振れます。
不安なほうの説明のほうが、思いつきやすいからです。「まだ考えていないだけ」より「気が進まないのだろう」のほうが先に浮かぶ。
だから、ずれたまま何ヶ月も過ぎてしまう。
これは慎重さの問題ではなく、確かめていないだけです。
聞く順番は、
軽いほうから
とはいえ、いきなり核心を聞くと重くなります。順番があります。
- 「結婚したい気持ちって、ある?」——まず、あるかないか。たいていは、あります。
- 「どこに住みたいとか、ある?」——住む場所の話は、暮らしの話です。相手の事情を直接聞かずに、輪郭が見えます。
- 「結婚したら、奥さんが働くことについてどう思う?」——ここまで来ると、二人の生活の形が具体的に見えてきます。
この順番の良いところは、どこで止めてもいいことです。
一つめだけで終わってもいいし、雰囲気が良ければ三つめまでいってもいい。相手の反応を見ながら進められます。
聞く場所も選べます。向かい合って改まって聞くより、車の中や、歩きながら、ごはんの席のほうが軽く出ます。
時間がたっぷりあって、目を合わせ続けなくていい場所。そういうときのほうが、相手も答えやすい。
大事なのは、まず楽しむことです。楽しい時間の中に、この話を少し混ぜる。それだけで、ずいぶん近づきます。
渋っているときは、
理由ではなく「基準」を聞く
もう一段むずかしいのが、相手が何かを渋っているときです。
ご家族に会わせるのを渋っている。結婚の話になると話題を変える。そういうとき、こちらは理由を当てにいこうとします。
「私のことをまだ信じていないのかな」「あのとき言ったことが引っかかっているのかな」。
けれど、理由は、当てにいっても当たりません。
渋っているのは相手なので、そこは相手にしか分かりません。相手自身が言葉にしていないことも多く、なんとなく身構えているだけ、ということもよくあります。
だから聞くのは、理由ではなく基準のほうです。
「私なりに考えたんだけど、分からなくて。私がどうなったら、会わせてもいいって思える?」
そして、こう添えます。「具体的に言ってくれたら、できることはやるよ」。
これは責める形になりません。こちらが動く前提で聞いているからです。
具体が返ってきたら、やればいい。「こう言ってくれたら」と出てくるなら、話は早いです。
曖昧なままなら、それも分かったことになります。
そのときは正直に返していい。「答えのないことで悩んでいるのが、つらい」。責める言葉ではなく、自分の状態の話として。
▷ 相手の結婚への本気度を、どう確かめる?
聞いたあと、
決めなくていい
ここがいちばん誤解されるところです。
聞くと、答えに引っ張られなければいけない気がします。
住みたい場所を言われたら合わせなければいけない、働き方の希望を言われたらそこに合わせなければいけない、というふうに。
そんなことはありません。今日聞いたのは、今の時点で相手がどう思っているか、それだけです。
人の考えは、状況で変わります。仕事のことも、暮らしのことも、家族のことも。
今の答えは今の答えであって、決定ではない。ジャッジもしなくていいし、こちらが何かを決める必要も、今日はありません。
そのうえで、聞いておくと確実に変わることがあります。
先のイメージが湧きやすくなることです。
「そうなると、こういう暮らしになりそうだな」が見えると、こちらも自分の希望を言葉にしやすくなります。
聞くのは、相手を測るためではありません。二人の現在地を、同じ紙の上に置くためです。
先に、しんどいところも
書いておきます
この進め方には、しんどいところが三つあります。
一つめ。聞いたら、望んでいない答えが返ってくることがあります。
「まだ考えていない」と言われることも、希望が食い違うこともあります。ただ、それは聞かなくても存在していたものです。聞いたから生まれたわけではありません。
二つめ。一度で全部は分かりません。
三つの質問で二人の将来が確定することはありません。何度かに分けて、少しずつです。
三つめ。軽く聞く、が最初はいちばん難しい。
大事な話ほど、こちらが構えます。構えると相手も構える。だから、場所と、ついでに聞く形を先に決めておくほうが早いです。
それから、よくいただく質問にも先に答えておきます。
「聞いたら、重い女だと思われませんか」
重くなるのは、聞いたときではありません。答えを迫ったときです。
「どう思う?」は重くなりませんが、「どうするつもりなの?」は重くなります。聞くのは、気持ちのほうだけでいい。
実際に、
どう変わっていったか
以前、交際は続いているのに結婚の話が止まっている、というご相談が続いた時期がありました。
面談でやったことは、聞く言葉を一緒に決めることだけです。
言い方をひとつ持って帰った方が、次の面談で「聞いてみたら、あっさり答えてくれました」とおっしゃる。そういうことが、何度もありました。
渋っていた理由が、こちらが想像していたものとまったく違った、ということも珍しくありません。
成婚された方の言葉も、ご紹介します。
お互いの将来的なビジョンや考え方が見えず、平行線だった時に、リョージさんからアドバイスをいただきました。将来的な話題も少しずつ出してみて、共通の考え方や、教育環境の背景等、似たような部分があることを知り、この人と結婚まで進むかも? と思いました。(M.Kさん・30代前半)
M.Kさんは、将来の話を一度に全部ではなく、少しずつ出していった方です。八ヶ月で結婚が決まりました。
初めてお会いしたお見合いの時から、お互い自然体で話せていて、違和感がなく、居心地が良かったので、結婚の話や今後の話もスムーズに進み、この人と結婚したいというより、するだろうなという感じでした。(I.Sさん・30代前半)
I.Sさんの「スムーズに進み」は、運が良かったという話ではありません。結婚の話を、特別な話にしなかったということだと思っています。
※ ご本人の快諾をいただき、個人が特定されない形で掲載しています。
数字で言えること、
言えないこと
「結婚の話を早く切り出した方の成婚率」——そういう数字は、うちにはありません。
切り出した・切り出していないを、こちらで線引きするものでもないので、作りません。
かわりに、手元にある数字を出します。
まりなびを卒業された方の71%が成婚されています。
定義は「創業以来の累計。成婚者数 ÷ 会員数」です。
プロポーズまでは平均11ヶ月でした。
なぜこの数字になるのか、サポートの中身も書いておきます。
まりなびでは、交際が始まってからの時間をいちばん厚く取っています。面談の回数をプランの軸にしているのは、そのためです。
「何を、どう聞くか」を、その場で一緒に決められる。想像で埋めたまま何ヶ月も過ぎる、という時間が短くなります。
▷ 「もう退会していいのかな」を、見極めたいとき
聞いてみる日の、
小さな手順
- 聞く場所を、先に決めておく。
車の中、歩きながら、ごはんの席。目を合わせ続けなくていい場所です。 - 一つめだけ用意する。
「結婚したい気持ちって、ある?」。三つ全部を今日やろうとしない。 - 渋られたら、理由ではなく基準を聞く。
「私がどうなったら、そう思える?」。当てにいかないほうが早いです。 - 「できることはやるよ」を添える。
これがあると、問い詰める形になりません。 - 聞いた日は、決めない。
今日は現在地を知るだけ。ジャッジも決定も、今日の仕事ではありません。
一度、
考えてみてほしいこと
最後に、ひとつだけ持ち帰っていただきたい問いがあります。
「いま『たぶんこう思っている』としていることのうち、本人に確かめたものはどれですか」
相手を採点する問いではありません。確かめたものと、そうでないものを分けるだけです。
分けてみると、たいてい、確かめていないほうが多いはずです。
*
2005年から20年、これまで2,000人ほどの方の婚活を、そばで見てきました。
話が進みはじめた方に共通しているのは、勇気を出したことではありません。
一つずつ、確かめていったことです。一度に全部を決めようとしていません。
まずは、いちばん軽い一つめから聞いてみてください。
まず自分で確かめたい方は、小冊子から
聞く言葉を、一緒に決める時間がほしい方へ