南青山で結婚相談所まりなびをやっている、竹内亮仁です。
交際が進んでくると、相手のご家族のことが視界に入ってきます。
そして多くの場合、そこで少し足が止まります。
「いつご挨拶するんだろう」「私に何ができるんだろう」「正直、重いな」。
この記事では、ご家族との距離を、どこから縮めていくのか——
挨拶のタイミングと、その手前でできることをお話しします。
*
まず、足が止まる理由から書きます。
ご家族のことを考えたとき、多くの方が思い浮かべるのは、いちばん重い場面です。
通院の付き添い。長い距離の送り迎え。いずれ来るかもしれない介護。
そこを思い浮かべて「重いな」と感じたなら、それは自然な反応です。
まだ、そこまでの関係になっていないからです。
そういうことができるようになるのは、その人のことを大切に思えばこそです。
関係ができていない時点でそこを想像したら、気が重くなって当たり前なんです。
つまり、いま起きているのはイメージが先に飛びすぎている状態です。
足が止まっているのは、あなたの気持ちが薄いからではありません。見ているところが、遠すぎるだけです。
見るのは、
もっと手前
戻す先は、ずっと手前です。
食べておいしかったお菓子を「お口に合えば」と渡してもらう。
おいしいお店を見つけたら「お母さんもどうかな」と話に出す。
このくらいのところからで、十分です。いきなり介護に行かなくていい。その前に、人間関係ができるといい。
もうひとつ、彼が実際にご家族のために動いているのを見ると、「同じことを自分もしなければ」と感じることがあります。
それも、いりません。彼は彼にできることをしただけです。
今の段階で相手が望んでいることがあるとすれば、それは元気がないときに話し相手になってくれることくらいだと思います。
手前でできるのは、
「聞く」ことです
では、手前で具体的に何をするか。お母さんの話をすればいいんです。
彼に、こう聞いてみてください。
- 「お母さん、どう?」——ちゃんと食べられているか、眠れているか、体を動かせているか。
- 「最近、どこか行った? 何か気に入ってるものある?」——好きなものが分かると、できることが出てきます。
- 「お店で食べるのが好き? お家のほうがいい?」——お家がいいなら、「じゃあ今度買って持っていってもいい?」につながります。
そして、これは忘れずにやってほしいのですが、同じことを彼にも聞いてください。
一週間どうだった? 体調は? 食べてる? 眠れてる?
目的は、ご家族に気に入られることではありません。彼と幸せになることです。
ただ、彼にはご家族がセットでついてきますし、そこも含めて彼の一部です。
だから、二人の会話にご家族の話を、今までより少しだけ多く入れてみる。それだけです。
なお、何かを渡したときに「喜んでもらえたかどうか」が気になることがあります。
そこは、いったん置いていい。大切な人のご家族のためにやったこと、それ自体がもう一つの答えです。
挨拶は、
二回に分けるときれい
タイミングの話をします。よくいただく質問です。
「挨拶は『結婚が決まりました』で行くのがいいですか。それとも『結婚を前提にお付き合いしています』ですか」
いちばんきれいなのは、二回に分ける形です。
- まず、「結婚を前提にお付き合いさせていただきます」で一度お会いしておく。
- 婚約が決まったら、改めて「よろしくお願いします」で伺う。
理由は単純で、一度会っておくと、そのあとが軽くなるからです。
はじめての顔合わせと、大事な話が同じ日に重なると、どちらも緊張します。分けておけば、二回目は挨拶だけで済みます。
そしてもう一つ。ここまで進めてから成婚退会すると、まわりが応援してくれる状態で新生活に入れます。
どちらのご家族も、いきなり結果だけを聞かされるより、途中を知っているほうが受け止めやすいものです。
▷ 彼との結婚、両親にどう伝えるか迷うとき
先に、しんどいところも
書いておきます
この進め方には、しんどいところが三つあります。
一つめ。手前から始めても、時間はかかります。
お菓子を一度渡したら関係ができる、ということはありません。何ヶ月かの積み重ねです。すぐに変わらないのが普通です。
二つめ。合う・合わないは、あります。
手前から丁寧に進めても、距離が縮まらないこともあります。それは、あなたの努力が届かなかったという話ではありません。人と人なので、そういうことは起こります。
三つめ。彼が動かないことがあります。
ご家族に会わせる話が、彼の側で止まることもあります。そのときは、理由を推測しないほうがいいです。推測は当たりません。
「私がどうなったら、会わせてもいいって思える?」と、本人に聞いてしまうほうが早いです。
▷ 結婚の話が進まないとき、想像で埋める前に聞いてみる
実際に、
どう変わっていったか
以前、相手のご家族との距離をどう取ればいいか分からない、というご相談が続いた時期がありました。
面談で話したのは、介護の話ではありません。「今週、彼にお母さんの様子を聞いてみましょう」。それだけです。
そこから、好きな食べ物が分かって、渡せるものが見つかって、という順に進んだ方が何人もいらっしゃいました。
遠い場面を先に想像していたときより、ずっと軽く動けるようになります。
成婚された方の言葉も、ご紹介します。
すぐにお家や実家や会社を案内してくれた時。(RKさん・40代前半/結婚したいと思った瞬間として)
RKさんの場合は、相手の側から暮らしを開いてくれた形です。
ご家族や家のことを見せてもらえるのは、それだけで一つの答えでもあります。
ネガティブな話も受け止め、逃げずにしっかり話し合える人だと思った時は、結婚してからも一緒に相談・協力しながら乗り越えることができるだろうと思いました。(A.Kさん・40代後半)
ご家族のことは、たいてい簡単な話ばかりではありません。
だからこそ、そこを二人で話せるかどうかが、そのまま結婚後の見通しになります。A.Kさんは八ヶ月で結婚が決まりました。
※ ご本人の快諾をいただき、個人が特定されない形で掲載しています。
数字で言えること、
言えないこと
「ご家族に早く挨拶した方の成婚率」——そういう数字は、うちにはありません。
ご家庭ごとに事情が違うので、そこを一列に並べて数えるものでもないと思っています。
かわりに、手元にある数字を出します。
まりなびを卒業された方の71%が成婚されています。
定義は「創業以来の累計。成婚者数 ÷ 会員数」です。
プロポーズまでは平均11ヶ月でした。
なぜこの数字になるのか、サポートの中身も書いておきます。
まりなびでは、交際が始まってからの時間をいちばん厚く取っています。
ご家族への挨拶も、成婚退会の時期も、行くなら行くと決めて、順番を組むところまで一緒にやります。
迷ったまま数ヶ月が過ぎる、という時間が短くなります。
距離が分からない日の、
小さな手順
- 今週の会話に、「お母さん、どう?」を一つ入れる。
食べられているか、眠れているか。それだけで構いません。 - 同じことを、彼にも聞く。
ご家族の話だけが増えると、目的がずれていきます。 - 好きなものが分かったら、小さいものを一つ。
「お口に合えば」で渡してもらう。それ以上は要りません。 - 挨拶は、一回目の時期だけ決める。
二回に分ける前提なら、一回目は軽くなります。 - 遠い場面に飛んでいたら、今週まで戻す。
重いと感じたら、それは距離が遠すぎるという合図です。
一度、
考えてみてほしいこと
最後に、ひとつだけ持ち帰っていただきたい問いがあります。
「いま思い浮かべているご家族の場面は、何年先のことですか」
自分を試す問いではありません。距離を測るだけです。
もし数年先の場面だったら、今週できることまで戻してみてください。たいていは「彼に、お母さんの様子を聞く」くらいのところにあります。
*
2005年から20年、これまで2,000人ほどの方の婚活を、そばで見てきました。
ご家族とうまくいっている方に共通しているのは、気が利くことではありません。
手前から始めていることです。重い場面を先に背負おうとしていません。
まずは、今週の会話にひとこと足すところから始めましょう。
まず自分で確かめたい方は、小冊子から
挨拶の順番から、一緒に組み立てたい方へ