ゆっくり進めたいのに、相手の返信が遅いだけでそわそわする。
いい人なのに、結論を急ぎたくなる。
落ち着こうとするほど、落ち着けない。
そんなふうに、自分の気持ちと足並みがそろわない感じ、しんどいですよね。
*
焦ってしまうのは、あなたが落ち着きのない人だからではありません。
それだけ、ちゃんと前に進みたいと思っているから。
どうでもいいことなら、急ぐ気持ちも湧いてきません。
だから今日は、その「焦り」を、
「気持ちを強く持ちましょう」と励ますのではなく、
どこから来ているのかを、少しだけ一緒に見てみたいと思います。
「焦らないように」が、
かえって焦りを連れてくる
「焦っちゃだめだ」と自分に言い聞かせると、
不思議と、もっと焦ってきます。
これは、意志が弱いからではありません。
そもそも焦りは、自分がしているイメージと、
自分が見ている現実に、ギャップがあるときに出てきます。
このギャップが埋まらないと、嫌な目に遭うんじゃないか。
そうイメージして、不快な気持ちになっている。
それが、焦っているときの状態です。
だから、「焦らないようにしよう」と思ったその瞬間に、
焦ってしまったイメージを、もう一度することになる。
消そうとするほど、それが大きく見えてくる。
婚活の焦りも、同じ仕組みで動いています。
よく言われるのは、まず深呼吸しましょう、リラックスしましょう、
ぼんやりした願望ではなく現実的な対策を立てましょう。
ただ、そう考えている時点で、もう焦っています。
その時点では、少し遅いんです。
だから、「焦るな」と自分を責めなくて大丈夫です。
責めるほど、急ぐ気持ちは静まりにくくなります。
その焦りは、
「不安をなくすため」から来ていないか
焦りが強くなるとき、その奥には、たいてい不安があります。
このまま決まらなかったらどうしよう。
時間だけが過ぎていく気がする。
一人の将来を考えると、こわい。
その気持ちは、とても自然なものです。
ただ、いつの間にか婚活が、
「不安をなくすため」のものに変わってしまうことがあります。
不安をなくすために会うと、
一回ごとの出会いが「結論を出す場」になってしまう。
だから、相手をゆっくり知る前に、結果を急ぎたくなる。
うまくいかない日があると、
消したかったはずの不安が、もっと大きくなる。
そうして、また焦る——その繰り返しになりやすいんです。
焦りが止まらないのは、あなたが急ぎすぎているからではなく、
向かっている方向が、しんどいほうを向いているだけかもしれません。
比べる焦りは、
速さとしあわせを混同している
焦りのもうひとつの正体が、「比べてしまうこと」です。
一緒にがんばっていた人が、先に交際を始める。
後から始めたはずの人が、先に結婚していく。
SNSを開けば、誰かの幸せそうな報告が流れてくる。
そのたびに、「私だけ遅れている」と感じてしまう。
でも、進む速さは、本当に人それぞれです。
早く決まる人もいれば、ゆっくりの人もいる。
そして、決まるまでの速さと、
そのあとのしあわせの大きさは、関係がありません。
早く決まったから幸せ、ということもなければ、
ゆっくりだったから不利、ということもない。
比べて焦ってしまう日は、
「これは速さの話で、しあわせの話じゃない」と、
一度だけ、自分に言ってあげてください。
「不安をなくす」から
「幸せになる」へ
ここが、いちばんお伝えしたいところです。
幸せな結婚をしていった女性たちの多くが、
途中で、見方を少しだけ変えています。
ここで、一度だけ聞いてみてください。
リラックスできているときって、どういうときですか。
楽しめているときって、どういうときですか。
居心地のいいデート。楽しい恋愛。
——したいのは、そっちのはずなんです。
答えは、そちら側にあります。
「失敗しないように」会うのではなく、
「どうしたら、いい時間になるかな」を探しながら会う。
「早く決めなきゃ」ではなく、
「この人と話していて、どんな気持ちになるかな」を見にいく。
そう切り替わると、一回ごとの出会いが、
結論を迫る場ではなく、相手を知る時間に変わります。
すると、面白いことに、急ぐ気持ちがやわらいでいきます。
不安をゴールにしていたときより、
心が落ち着いて、相手のこともよく見えるようになる。
では、そのために今やることは何でしょう。
たとえば、アプリや相談所を使っているなら、
やることは、さっきまでやっていたことだけです。
検索する。気になった人をお気に入りに入れる。
いいねが来たら、いいね返しをする。
お見合いの申し込みが来たら、申し受ける。
全部やろうとしなくていいんです。目の前の、一個だけ。
その一個が終わったということは、
居心地のいいデートに、一歩近づいたということです。
でも、そこをあまり確認しないで、次に行ってしまう方が多い。
まず、そこをちゃんと確認してあげてください。
思い通りにいかないことも、ありますよね。
その時は、他のやり方に変えるだけです。
自分でわからなければ、知っている人に聞く。
その一つ一つも、また近づいています。
以前、こういうご相談が続いたことがあります。
「進み方が遅い気がして、焦ってしまう」。
お話をうかがうと、決まって出てくるのが「一年で決めたい」という目安でした。
その予定に対して、自分がどれだけ遅れているか、を数えてしまう。
遅れていると思うほど、動くのが億劫になっていました。
お伝えしたのは、時間のほうを気にせず、目の前の一個だけをやること。
今日は、来ている申し込みに返事をする。終わったら、次を考える。それだけです。
追われるのではなく、追うほうに変わると、動く数は自然と増えていきました。
別の方は、こうおっしゃっていました。
一つ終わっても、すぐ次の「やらなきゃ」が目に入ってしまう。
だから、やってもやっても終わらない感じだけが残る、と。
一つ終わったら、「また一歩幸せに近づけた」と毎回確かめる。
それを続けてみたら、こなしている量は変わらないのに、
しんどさのほうが変わってきたそうです。
条件を手放す必要はありません。
ゆずれないものは、持っていていい。
ただ、条件で値踏みするより先に、
心が動くかどうかを見にいく——その順番だけの話です。
心から動いた出会いのほうが、結果として、
条件の面でも納得のいく人と進んでいく。
そういう人を、たくさん見てきました。
焦りが来た日の、
小さなステップ
とはいえ、「明日から焦らない」なんて、無理な話です。
心は、そんなにすぐには切り替わってくれません。
なので、また焦りが来た日のための、
小さなステップだけ、ここに置いておきます。
- 「焦るな」と自分を責めない。
焦るのは、前に進みたい気持ちがある証拠です。 - 人と、自分を比べない。
それは速さの話で、しあわせの話ではありません。 - 次の出会いを、「結論を出す場」にしない。
決めにいくのではなく、相手を知りにいく時間に。 - 「不安をなくすため」になっていないか、いちど確かめる。
「本当はどうなりたいか」を、自分に聞いてみる。 - 条件は、そのまま持っていていい。
ゆずれないものは残したまま、先に心が動くかを見にいく。
*
僕は、東京・南青山で結婚相談所まりなびをやっている、竹内亮仁です。
2005年から20年、男女のパートナーシップを研究してきて、
これまで2,000人ほどの方の婚活を、そばで見てきました。
そのなかで、ずっと感じてきたことがあります。
幸せな結婚をしていく人は、
一度も焦らなかった人ではありません。
焦りながらも、向かう方向だけは、しんどいほうへ行かなかった人です。
焦りは、なくそうとしてなくせるものではありません。
焦っていない、というのは、結果だからです。
もし、「焦りたくないのに、気持ちばかりが急いてしまう」なら——
急ぐあなたを責めるより、
その焦りがどこから来ているのかを、一緒に見てみませんか。
今の状況から近道を一緒に考える