「年収は500万円以上」
婚活の希望条件に、そう入れる。
入れているのは、相手ひとりの年収です。
でも、結婚したあとに暮らしていくのは、二人です。
*
南青山で結婚相談所まりなびをやっている、竹内亮仁です。
今日は、実際に結婚している夫婦の年収を、国の統計でそのまま見ていきます。
夫の年収だけで見たときと、二人あわせて見たときで、数字がどう変わるか。
先にお伝えしておくと、年収の条件を見直しましょうという話ではありません。
見る単位を「相手」から「二人」に広げてみる、という話です。
婚活の検索画面で、年収について入れるのは相手ひとりの数字です。
二人の数字は、どこにも出てきません。今日は、そこを出してみます。
結婚している夫婦の、
世帯年収はどのくらいか
まず、いちばん大きな数字から。
妻の年齢ごとに、夫婦の世帯年収を並べるとこうなります。
| 妻の年齢 | 真ん中の世帯 | 真ん中の半分が入る範囲 | 平均の目安 |
|---|---|---|---|
| 30〜34歳 | 600万円台 | 500万円台〜800万円台 | 約750万円 |
| 35〜39歳 | 700万円台 | 500万円台〜900万円台 | 約780万円 |
| 40〜44歳 | 700万円台 | 500万円台〜1,000万円台前半 | 約840万円 |
| 45〜49歳 | 800万円台 | 500万円台〜1,000万円台前半 | 約880万円 |
※総務省「令和4年就業構造基本調査」第239表(全国・夫婦のいる世帯。妻が働いていない世帯も含む)
妻が35〜39歳の夫婦で、真ん中にあたる世帯は700万円台。平均は約780万円です。
平均が真ん中より上に出るのは、年収の高い世帯が平均を引き上げるからです。
暮らしの実感に近いのは、平均より「真ん中」のほうです。
妻の年齢が上がるほど、世帯年収も上がっています。この差には、あとで触れます。
夫の年収だけで見ると、
景色はこう変わる
次に、同じ夫婦を「夫ひとり」で見てみます。
妻が30代で、妻にも仕事の収入がある夫婦です。
| 妻の年収 | 夫の年収の真ん中 | 夫が500万円以上 | 二人あわせた目安 |
|---|---|---|---|
| 100〜149万円 | 400万円台 | 44% | 約580万円 |
| 200〜249万円 | 400万円台 | 43% | 約680万円 |
| 300〜399万円 | 500万円台 | 50% | 約900万円 |
| 400〜499万円 | 500万円台 | 56% | 約1,000万円 |
| 500〜599万円 | 600万円台 | 77% | 約1,200万円 |
※総務省「令和4年就業構造基本調査」第240-2表(全国・妻30〜39歳)。主な帯を抜き出しています。
夫の年収の真ん中は、400万円台から600万円台。
夫が500万円以上の家庭は、4割台から7割台です。
夫ひとりで見ると、「年収500万円以上」に入らない家庭が半分近くあります。
それが二人で見ると、約580万円から約1,200万円になる。
同じ家庭を見ているのに、どこを見るかで、数字の景色はずいぶん変わります。
未婚の男性の年収の段ごとの人数は、別の記事で数えました(35〜45歳の未婚男性で、500万円以上は25%)。
▷ 婚活の条件に当てはまる男性は何人いるのか、公的データで数えてみた
先に、この数字の弱いところも
書いておきます
正直に書きます。
一つめ。これは、いまの夫婦の年収です。結婚した時点の年収ではありません。
結婚から年数が経つほど、夫の年収は上がっています。
妻にも仕事の収入がある夫婦で見ると、夫の年収の真ん中は、妻が30歳未満で400万円台(500万円以上は約3割)、30代で500万円台(約5割)、40代で500万円台(約6割)。
妻が30歳未満の夫婦には、結婚して間もない方が多く含まれます。
二つめ。結婚した時点の年収の分布は、公的統計にありません。
手元に無い数字なので、作りません。「妻が30歳未満」も、近いものの目安です。
三つめ。二つめの表は、妻にも仕事の収入がある夫婦だけの数字です。
妻が働いていない世帯は、最初の表にだけ入っています。
よく聞かれることにも、先に答えておきます。
「つまり、共働きが前提ということですか」
そうではありません。働き方は、ご本人とお相手の二人で決めることです。
ここで見ておきたいのは、結婚したあとの暮らしは「二人の数字」で回っていく、ということだけです。
実際に、
どう変わっていったか
譲れない条件に「ある程度の収入」を挙げていた方がいます。
初めて会ったときの印象は「会話や考えはとても気が合う」「居心地のいい人」。ただ、最初から「この人だ」と思った相手ではなかったそうです。
収入や昇給を説明(アピール)された時、イメージしていたより多かったので、思っているよりしっかりしているのかも、とも思い、正直その時から結婚したいかも、と思い始めました。(A.Kさん・40代前半)
居心地のよさが先にあって、収入はあとから知った。条件のほうにも、あとから納得がついてきた形です。一年二ヶ月で結婚されています。
自分の話を最後まで聞いてくれること。自分の趣味(推し活)を理解してくれること。週末婚や仕事の継続、家事分担等に柔軟な理解があること。(M.Kさん・30代前半)
こちらの方は、条件に二人でどう暮らすかを置いていました。交際の中で将来の話を少しずつ出し、考え方の近さを確かめて、八ヶ月で結婚が決まっています。
ほかにも「話し合いや、結婚後の生活について積極的かどうか」を挙げた方がいました。年収の欄とは別に、結婚したあとの暮らしを条件に置いていた方が、何人もいらっしゃいます。
※ ご本人の快諾をいただき、個人が特定されない形で掲載しています。
▷ 条件のいい人が来ると、気持ちが追いつかないとき
年収の条件の前に、
二人の暮らしを置く
数字を並べると、こう見えてきます。
・世帯年収は、夫ひとりの年収とはずいぶん違う
・結婚から年数が経つほど、夫の年収は上がっていく
・結婚したあとの暮らしは、二人の数字で回っていく
では、年収の条件を見直したほうがいいのか。
僕は、初めからいじる必要はないと思っています。
自分に来る層は、動いてみればすぐに見えてきます。人から言われるより、実際に会った相手を見るほうが早くて正確です。条件をどうするかは、動いたあとにご自身で決められることです。
そのうえで、順番をひとつだけ入れ替えてみてください。
相手の年収を先に固めるより、二人でどんな毎日を過ごしたいかを先に置く。
それが見えていると、会ったときに「この人となら」と心が動く瞬間にも気づきやすくなります。
①心が先。②条件はあと。③だから、条件も納得できる人に大切にされる。
まりなびの成婚率は71%です(創業以来の累計。成婚者数÷会員数)。プロポーズまでは平均11ヶ月。
入会前に「条件を変えてください」とお願いすることはありません。入会から卒業まで同じ担当が伴走し、会っていく中で、ご自分に必要な条件をご自身で見つけていけるようにしています。
▷ 親が「その条件では」と渋りそうで、揺れてしまうとき
年収の数字を見るときの、
小さな手順
- 希望条件の年収欄は、いまのままにしておく。
初めからいじる必要はありません。 - その横に、結婚したあとの一週間を書いてみる。
平日の夜、休みの日、住む場所。三つくらいで十分です。 - 自分の働き方の希望も、一行書いておく。
続けたい、減らしたい、まだ決めていない。どれでも構いません。 - 相手の年収を見るときに、二人の暮らしで考えてみる。
一人の数字と二人の数字は、別のものです。 - 会った人と、暮らし方の話が自然に出てくるかを感じてみる。
数字より先に、そこで分かることがあります。
一度、
考えてみてほしいこと
最後に、ひとつだけ持ち帰っていただきたい問いがあります。
「結婚したあとの平日の夜、どんなふうに過ごしていたいですか」
年収の答えを出すための問いではありません。
一緒に夕ごはんを食べていたいのか、それぞれの時間もほしいのか。
そこが見えてくると、年収の数字を、二人の暮らしに照らして見られるようになります。
数え方と、出典
この記事の数字は、すべて公開されている統計です。どう数えたかも、そのままお見せします。
世帯年収:総務省「令和4年就業構造基本調査」第239表(全国)。夫婦のいる世帯を妻の年齢別に数えたもので、妻が働いていない世帯も含みます。世帯全体の一年間の収入(税込み)です。
夫の年収:同調査 第240-2表(全国)。夫にも妻にも仕事の収入がある世帯を、妻の年齢・妻の年収別に数えたものです。
真ん中と平均:真ん中は、年収の低い順に並べてちょうど半分にあたる帯。「真ん中の半分」は、下から4分の1〜4分の3にあたる帯です。平均は、各帯の真ん中の値(500万円台なら550万円)で計算した目安です。
二人あわせた目安:夫の年収の真ん中の帯の値に、妻の年収の帯の値を足したもの。「二人とも真ん中なら」という目安で、実際の世帯の分布ではありません。
いずれも2022年時点の、いまの夫婦の数字です。
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年収の条件は、大事にしていい。
そのうえで、結婚したあとに暮らしていくのは、二人です。
先にどう暮らしたいかを置いて、そのうえで条件も見る。
この順番で進んだ方が、条件にも納得のいく相手と結婚していく——
2005年から20年、2,000人ほどの方の婚活をそばで見てきて、いちばん確かなことです。
まずは、結婚したあとの一週間を、一行書くところから始めましょう。
まず自分で確かめたい方は、小冊子から
いまの条件のまま、近道を一緒に考える